花は野にあるように
まるでとっておきの宝物を見せる子供の声みたい。


ふとそんな事を考えてしまった僕は、前を行く大きなコドモの姿になんだか笑い出してしまいそうになった。


「ん。
ここだな。」


少し木々の間隔が空いた場所へとたどり着いたリョクは、目の前にあるびっしりとツタにおおわれた壁に手を当てて何かを探しているような仕草をしている。


そうして目当てのモノがみつかったのか、ニヤ、と笑うといつの間にか取り出していた古い鍵を僕に見せて言った。


「これは『秘密の花園』の鍵でさ。
今から、ミキの驚いた顔を堪能させてもらうぜ?」
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