花は野にあるように
もらうぜ………って。


「一体、僕をどうやって驚かせるつもりなの?」


リョクを見上げたまま、僕がそう訊ねると。


リョクはニヤリと笑って僕の腕を引いて。


僕を胸の中に抱き込むと、後ろから覆いかぶさるようにして手を重ねた。


「わわわ、な、何っ?」


突然の動きに付いていけなくて、情けない声を上げた僕の手の中に、重なったリョクの指が重みのあるしっかりとした存在感の鍵を握らせてきた。


「リ………リョク?」


「ん。
しっかり持ってろよ?
錆びちゃいない筈なんだけど、しばらく使っていないだろうからな。」
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