花は野にあるように
そうっと押すと、鉄の扉は抵抗するように軋んだ音を上げながらも向こうへと開いていって。


僕の目の前には、築山のように大きく繁るつつじの木がそびえているのが見えた。


花の時期とは違うから、小山のような緑のカタマリはちょっとトゲトゲした、つんと細長い葉っぱを静かに揺らしているだけだったけれど、花の盛りに見たらきっとスッゴク綺麗だろうね。


つつじの花を集めた大きなブーケに見えるんじゃないかな。


けど。


これも立派な木だと思うけど………。


ここが、『秘密の花園』なの?


疑問を抱えながら僕はリョクを振り返る。
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