花は野にあるように
気を取り直して訊ねた僕に、リョクはニカッと笑った。


「『秘密の花園』は、あっちなんだよ。」


立てた親指で、リョクはさっき僕達が抜けて来た扉を指して答える。


えっと?


でも。


「あっち………って………あっちは学校でしょ?
どうして学校が『秘密の花園』なの?」


確かにつながっている先は、学校の中の花園ではあるけどね。


「んー。
やっぱさ。
ミキって驚くと目がまんまるになるのな。
それをこんな間近から、すっげ堪能出来て、俺、今めちゃくちゃ嬉しいんだけどさ。」
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