花は野にあるように
「え……。いや、確かに可愛いけど……。」


藤森さんがちらっと僕を見ながら言う。


その視線は、なんだかすごく僕をいたたまれないキモチにさせて。


もう、すぐにここから逃げ出したいよ。


僕に勇気がなくって、ちゃんと毅然とした態度が出来なかったのが悪いんだ。


こんな顔をしてて、チビな僕なんてチカンにあったって仕方がないんだ。


だって、僕が悪いんだもの。


僕が………


「なぁに、勝手な事抜かしてやがるっっっ!」


突然。


リョクの怒号が、狭い部屋に響き渡った。
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