花は野にあるように
「え?
何?」


ぼんやりと僕が顔を上げるのと。


「うわ。
ミキ、鼻血!
流れてるって!」


そうリョクが叫ぶのとは、ほぼ同時で。


「マジ、ヤバい。
ミキの制服まで汚れちまうと厄介だよな。
ミキ、取りあえずこれで押さえて。」


そう言いながらリョクが手渡してくれたモノが何かを確かめもしないで、僕は言われるがままに顔を押さえ。


そうして、そんな僕を有無を言わせず抱き上げたリョクは。


そのまま陸上競技に出られそうなスピードで、母屋の方を目指して駆け出してしまっていた。
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