花は野にあるように
けど、千代さんと呼ばれたその人は言葉を失っている僕には全く頓着しないまま………と、いうか、リョクのさっきの『俺のミキ』発言にも特に動じた風もなく、僕達を上から下までジッと見詰めて言った。


「それじゃあ、脱いでくださいな?
ほらほら、早くしないと光陰矢のごとし、時は金なり、桶屋が転べば子猫が喜ぶ、ですよ。
大急ぎでお洗濯させていただきますからね!」


ことわざの最後のところ、何だか違う気がするんだけどな?


って、僕が引っ掛かっている間に僕を抱えたままのリョクは、千代さんについて廊下を進んでいた。
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