花は野にあるように
「んー。
相変わらず無駄に広いよなー。」


リョクがそう言いながら開け放った扉の内側にようやく僕を下ろしてくれる。


ホントなら、運んでもらったお礼をまずリョクに言わなきゃいけないのに、僕は。


あんぐりと口を開けてしまったまま、ボンヤリと立ちすくんでしまった。


「一応、原泉かけ流しの温泉なんだぜ?
とは言っても、温度低すぎなんだから冷泉って言うべきだよな。
いくら太陽光発電で温めてるって言っても、看板に偽りありじゃ、な。
ま、温泉宿やってる訳じゃないからいっか。」
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