花は野にあるように
「親のチカラを使うなんて卑怯だから、出すつもりなかったけどな。
俺の名前は、大地 緑風。
この名前の俺が、オフクロと呼ぶ相手が誰なのか。
お前、わかるよな?」


リョクのその言葉を聞いて。


始めは訝しげにしていたおじさんの顔から、どんどん血の気が引いていって。


気の毒なぐらい、真っ白な顔になってしまった。


「ま、ま、まさかっ!
だ、大地局長の……っ!」


それだけ言って絶句してしまったおじさんは、へなへなと崩れ落ちるように、椅子の上に座った。


「お前みたいな職員を、オフクロがどんな風に思うかまでは知らないが、この先が愉しみだよな。
簡単に辞めて終われると思うのは、甘すぎる展望だっていうのだけは教えておいてやるよ。」
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