花は野にあるように
ガラリと引き戸を開けて、廊下に居るらしい千代さんと何か話しているリョクの背中に、僕はこっそりアッカンベーをして小さな仕返しをした。


「ミキ?
早くシャワー浴びねえと、授業始まるぞ?」


まさか、僕がこっそりアッカンベーってしたのに気付いた訳でもないだろうに、リョクがのれんの向こうから声をかけてくる。


「えっ?
あ、うん。」


ちょっとびっくりさせられてしまった僕は、時間がないことを思い出してリョクの言葉に素直に従って、唯一身に付けていた下着を脱ぐと浴場へ続く扉を開いた。
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