花は野にあるように
「悪ィけどさ、も少し温まってからでるわ。
ミキは、のぼせない内に先に出てろよ。
きっとすぐに千代さんが現れるから。」


広い背中を向けたままのリョクは、そこで僕との会話を打ち切りたいみたいだったんだけど。


けど。


「のぼせないからっ!」


頭で考えたんじゃない、言葉が僕の口をついて出てしまう。


「へ?」


リョクが面食らったような声を上げてこっちを振り返る。


そうだよね。


すっごく変な事を口走っちゃってるよね。


でも、僕は言ってしまった勢いで次の言葉も口にしてしまう事にした。
< 1,230 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop