花は野にあるように
「う………じ、じゃあ、先に上がらせてもらうね?
ホントはもっとこのすっごいお風呂を楽しんでみたいけど……我慢するよ。」


せっかく、こんな大浴場みたいなお風呂に入れるチャンスだったのにね。


残念だな。


「ん。
また、ばあさんに言えばいつだって来れるって。
もともと、こっちの庭とガッコの西の庭園はつながっていたんだし、園芸部としての研究観察がしたいって言えば面目だって立つしな。」


また庭の方を向いてしまったリョクが、庭の向こう側にある白壁を指しながら言う。


「そうなんだ………。」
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