花は野にあるように
「『ろくでなし』?
そうかな?
僕は詳しい事は知らないし、専門的な事もよくはわからないけど、見ているだけで気持ちがよくなるこの庭を設計した人が、悪い人だとは思えないよ?
だって、穏やかな気持ちになれる景色を造り上げる人が他の人の事を考えていない筈がないもの。
僕はこのお庭、とっても好きだな。」


リョクの話した内容に少し引っ掛かりを覚えながらも、僕は思ったままを口にした。


「………そっか。
ミキはこの庭を好きか。」


ほんの少し、間をあけて。


リョクはそう言った。


「やっぱ、ミキはいいな。」
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