花は野にあるように
目を丸くして、リョクの事を見上げている僕に気が付いて、リョクは少し照れながら振り向いた。


「ごめん。
つい、コーフンしちまったな。
怖かったか?
驚いただろ?」


頭を掻きながら、僕に謝ってくれるリョクに僕はふるふると頭を振った。


リョクは僕の為に怒ってくれたんだし、大きな声にはびっくりしたけど、内容には度胆を抜かれたって感じの方が強くて、怖いって感じはしていない。


だから。


「いやな思いさせちまったな。ホントにごめん。」


そう言ってくれたリョクに、まだ少し引きつっていたかもしれないけど、僕は。


笑顔で応えることが出来た。
< 125 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop