花は野にあるように
だから。


「あらあらミキさま、緑風さま。
お2人とも、たんと召し上がられたようですね。
えぇ、えぇ。
子供はみぃんな、たぁんと食べるのがよろしいですよ。
たっくさん食べて大きくおなり下さいよ?
千代は、みなさんが千代の料理でこんなに大きくなったと世間様に自慢いたしますからね。」


千代さんが腕いっぱいに僕達の制服を抱えて、そう言いながら入って来た時。


僕達は、お互いにはち切れそうなお腹を抱えて食卓に向かったまま、幸福な苦しみを味わっていた。


「動けなくなるくらいに朝御飯食べるなんて、初めてだよ。」
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