花は野にあるように
なんだか少しセピアがかった調度品を眺めながら、大急ぎで借りていた白いジャージから自分の制服に着替えた僕は、リョクの分の着替えをその場に残し、ジャージだけを手にして元の部屋へと戻った。


「お?
ミキ、着替えるの早いな。
スモーキングルームが煙たくて飛び出したか?」


リョクが、そう言いながら僕を迎えてくれる。


「オフクロのジャージも似合っていたけど、やっぱり見慣れたその制服を着ているミキが一番しっくりくるよな。」


リョクの言葉に驚かされるのはよくある事だけど、今回もまた、僕は目を見開かさせられていた。
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