花は野にあるように
「リョクが変な紹介の仕方をしたから、千代さんは僕の名前を誤解したんだよ?」


俺のものって言ってくれる気持ちはとっても嬉しいけど、それとこれとは別の問題だしね。


「う。
千代さんに誤解させたのはワザとじゃないって。」


言い訳するリョクを振り返ると、ちょっとしょんぼりした感じの雰囲気を周辺に撒き散らしながら叱られた子熊にそっくりなリョクが付いてきていた。


そんな滅多に見られないリョクの様子があんまりだったものだから。


「ププッ。
んもうっ!
次に千代さんに会ったら、ちゃあんと僕の名前、訂正しておいてね?」
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