花は野にあるように
木戸を抜けて、中庭を歩きながら僕は決意の言葉を口に乗せた。


それはもちろん、嘘偽りない僕の心からの言葉には違いなかったんだけど。


その言葉に。


「聞いたよ―?
ミキちゃんってば、一度口に出した言葉は取り消し出来ないって知ってるー?」


怪しい眼をしたクラス委員長が突然現れて、ムフフって笑いながらそう言った瞬間には、さっきまでの僕の決意は早くも崩れてしまいそうになってしまっていた。


「こ、こ、こ、こ、小林さんっ?
ど、ど、ど、どうしてここにっ?」


思わず訊ねる言葉も、どもってしまう。
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