花は野にあるように
「………真っ青だぞ。」


リョクの言葉が、頭の上から聞こえて。


あたたかい手が、僕の頬を包み込むように当てられた。


「ごめん。同席させるべきじゃなかったよな。」


額にキスを落としながら、リョクはそんな謝罪の言葉を僕にくれて。


強く。


僕のことを抱き締めた。


「ごめんっ!」



リョクのその言葉に込められた熱さは、僕の中に光の矢のように鋭く入ってきた。
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