花は野にあるように
「はーい。
じゃー始めるよー。
みんなスタンバイオッケー?
………んっ!
じゃ、ミキちゃんよろしくー。
幕が上がったところからねー。」


クラスの中に響いた小林さんの声に、僕は頷いて。


そうして、胸の前で握り締めた両手にもう一度ギュッとチカラを込めると台詞を口にした。


『私は美しい事を世界に広く知られている白雪姫。
新しくお越しになった心と美しさに貧しいお義母様に美貌をうとまれて、お城を追い出されてしまった可哀想なお姫さまなんです。』


練習を進める内に変わっていったこの台詞だけど。


やっぱり、恥ずかしいようっ!
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