花は野にあるように
一生懸命、平常心で言わなきゃって思うんだけど、あまりにも恥ずかしい台詞に、どうしても顔が熱くなってしまう。


「んー。
いいよ、いいよーっ!
頑張って言いながら、照れるミキちゃん。
メイクもいい感じー。
さぁ、どんどん行こうー。」


丸めた台本を手に打ち付けながら、小林さんが楽しそうに言う。


ううう。


僕の努力する方向は、本当にこっちで間違ってないのかな?


ちょっぴり不安になっちゃいそうだよ。


そんな事を思っている僕の気持ちは置き去りにされたまま、劇の練習は進んでいく。
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