花は野にあるように
なに?


と、聞くことも出来ない程に甘い痺れは僕の身体をやわく拘束し。


リョクの腕の中で僕はただ。


与えられた熱を、受けとめていた。


くちゅ、と湿った音が大きく耳元で聞こえる。


その音と、耳たぶをくわえられた感覚に、僕の顔がかぁっと熱くなった。


甘く咬まれた後、ざらっとした舌で舐められた僕の耳から、ドクドクと早く刻んでいる鼓動と同じリズムで与えられた熱が全身に広がっていく。


さっき、気分の悪い僕の為にリョクが弛めてくれた胸元にリョクの手が忍び込んできて、シャツのボタンを器用に外した。
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