花は野にあるように
「動いちゃ駄目だっ!」


そんな僕をリョクは強い言葉で止めてくれようとしたんだけど、その時には僕はもう傷付いた足の方で立とうとして失敗して、倒れかけてしまっていた。


「うわわっ!」


情けない声を出してしまった僕の身体を、まるでバネ仕掛けのような勢いで立ち上がったリョクのしっかりとした腕が受け止めて支えてくれる。


「ご、ごめんね。
ありがとう。」


「だからまだ立っちゃ駄目だって。」


顔を上げて言ったリョクへの謝罪と、リョクからのたしなめの言葉が同時に空中で交差する。
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