花は野にあるように
「少しの間、動かずにいて?
ちょっと圧迫してりゃ、流れ落ちるのは止まるだろうから、それから保健室に移動しような。
でないと、廊下に血の染みつけながら歩く事になっちまって、後で大騒ぎになっちまう。」
どうすればいいのか訊ねようとリョクを見た僕の事を、リョクはとてもやわらかい笑みを浮かべて、そう言ってくれた。
その笑顔は、なんだかストンと僕の心の奥にまで抵抗なく入ってきて、開きかけていた口からなんにも話せないままに、僕は素直に頷いた。
「ん。
じゃ、ちょっと押さえていくな。
あ、クラス委員長。
その間にミキを体操服に着替えさせてくれないか?」
ちょっと圧迫してりゃ、流れ落ちるのは止まるだろうから、それから保健室に移動しような。
でないと、廊下に血の染みつけながら歩く事になっちまって、後で大騒ぎになっちまう。」
どうすればいいのか訊ねようとリョクを見た僕の事を、リョクはとてもやわらかい笑みを浮かべて、そう言ってくれた。
その笑顔は、なんだかストンと僕の心の奥にまで抵抗なく入ってきて、開きかけていた口からなんにも話せないままに、僕は素直に頷いた。
「ん。
じゃ、ちょっと押さえていくな。
あ、クラス委員長。
その間にミキを体操服に着替えさせてくれないか?」