花は野にあるように
怖い考えになってしまっている僕の、頭の上を飛び越えて小林さんはリョクに話しかける。


「ん。
そ、だな。
ミキだけなら、怪我を隠して『明日、演れるよ大丈夫』とか言われてもわかんねぇしな。」


「うー。
僕ってば、信用されてない?」


リョクの言葉にガックリとなりながら僕が言うと、リョクはすぐさま首を振った。


「信用されてないんじゃねえって。
信頼されてんだよ。
んでも、ミキはその信頼に無理してでも応えようとするだろ?
その無理を今はして欲しくないんだよ。」


リョクの言葉に、小林さんも頷く。


ううん。


小林さんだけじゃなくって。


頷いたのは、殆どクラスの全員って言えるぐらいだった。
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