花は野にあるように
そんな僕にリョクは小さく頷いてみせる。


「ん。
おとなしくしていてくれよな。
ミキにこれ以上痛い思いをさせたくはないからな。」


そうして、そう告げると、あうあうとしているばかりの僕を抱き上げたまま教室を後にして。


力強い足どりで保健室へと僕を運び込んでくれた。


「真知子ちゃん?
急患、見て欲しいんだけどさ?」


ガラッと大きな音を立てて保健室の扉を開け放ちながら、リョクは大声をあげる。


「そ、そんな大きな声をあげちゃご迷惑だよっ?」


慌てて止める僕の言葉にもリョクは首を振る。
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