花は野にあるように
「真ー知子ちゃーんっ!
早く顔、出さねえとある事、ある事、ばあさんに言っちまうぜー?」


僕の言葉に答えないまま、リョクは更に謎の呪文を叫ぶ。


「んーっ?
なぁにぃ?
あーんまり賑やかにしないでよぉ。
睡眠不足は美容の大敵なのよぅ?」


大きなあくびをしながらついたての向こうから現れた人物は、そう言ってもうひとつオマケのようにあくびを重ねた。


おもいっきり本気で寝ていたらしいその態度にもビックリするんだけど、その前に僕はその人の格好を見た瞬間に、すでにものすごく驚かされていた。
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