花は野にあるように
「………誰だっけぇ?」


僕に視線を止めた真知子さんは首を傾げて胸の前で腕を組んだ。


あ、そんな事をしちゃうと、胸の谷間が更に強調されちゃって、目の毒なんですけどっ!


「誰、じゃねえよっ!
急患だって言ってんだろ!
ほら、さっさと診てくれってば!」


ちょっとイラってした感じの口調で、リョクはそう言うと、ドカドカと僕を抱いたまま保健室の中に入ってしまって、勝手に僕を診察用の硬いベッドの上に下ろしてしまった。


「ミキは大怪我してんだって!
もしも縫うんなら、ここじゃ無理なんだろ?
さっさと紹介状書いてくれよ。」
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