花は野にあるように
「痛っ!」


思わず僕の口から言葉が漏れてしまう。


「ん。
ごめんね。
傷の状態見なきゃ診察はつけられないからねー。
にしても、すっごくきれいな真っ直ぐの傷ね。
これって、ナイフとかそういうので切らなかった?
ううん、切ったっていうより刺さった感じかな。」


僕の傷口にじっと視線を固定したまま真知子さんはまるで事故の現場を見ていたように次々と当てていく。


「あー。
そうそう、凶器も持ってきてたんだった。
ほぼ真知子ちゃんの予想通りだよ。
ほら、凶器。」
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