花は野にあるように
リョクはそう言って、ポケットの中から僕の足に傷を付けたカッターを取り出した。


真知子さんは、それに顔を近付けてしばらくジッと見て、そうしてなんだか満足したように息をついた。


「んっ。
凶器のこの様子と、傷の具合から言えばそんなに深くは切ってないわねー。
で?
出血量は?
勿論、ちゃあんと持ってきているんでしょうね?」


あるのが当然って思っているように、真知子さんはリョクに向かって片手を伸ばす。


出血量はって………そんなの量ってなかった………よね?


真知子さんはリョクに何を求めているんだろう?
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