花は野にあるように
軽く頷きながら、リョクはそう言って僕に向かってバチリと決まったウインクをして見せた。


「そうならねぇように、俺の最大にカッコいい姿で頑張るとするか。
どうせなら、情けない俺より、カッコいい俺を覚えていて欲しいもんな。」


うん。


もちろん僕は、どっちのリョクでも素敵だと思ってしまうような気がするんだけどね?


そんな事を思いながら、僕はリョクの後について早朝の校舎の中を抜けていく。


僕達が目指しているのは勿論、理事長先生に直訴までして僕達が手掛けた、あの花時計だった。
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