花は野にあるように
あ。


そうか。


だから、西庭園はデートしてる人達が多いのかな。


花壇の手入れをしている時につい、うっかり出くわしちゃう人達の事を思い出しながら僕はすっごく納得する。


学校にいるのに、まるでいないみたいな気分になっちゃうんなら2人っきりの世界な気分になりやすいもんね。


「『夢の国』の設計理念と一緒だよな。」


ボソリ、とリョクが言葉を続ける。


え?


なにそれ?


リョクの口から飛び出した言葉に、僕はまた新しい世界を見せてもらえる予感を感じて、リョクの背中に歩み寄った。
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