花は野にあるように
だけどリョクは思いっきり顔をしかめて、そう言った。


「一人息子が、家を守らないまま放浪したあげく野たれ死んで、後の面倒を何もかも他人にやらせちまって、礼のひとつも言わないままなんて奴を好きになんてなれないって。」


「………でも、その人の作品は好きなんだね?」


僕がもう一度そう尋ねると、リョクは渋々って感じに唸り声みたいな声を上げた。


「う………ま、あな。」


「だったらそれでいいんじゃない?
人物が尊敬できなくても、作品には惹かれてしまうってアリだと思うよ?
だけど僕は作品が好きだから作者の人も好きになりたいって思うリョクの事がとっても好きだけどね。」
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