花は野にあるように
少し斜めになったままで把手にぶら下がっているそのプレートは、首を傾げて僕を見つめ返しながら、さてね。自分で考えな。って言っているみたいに。


僕の目には写った。


「行くぞ?」


リョクの言葉にうながされるように、僕はそのままホームへと向かって歩き始めた。





「あぁ。あいつな。」


突然リョクが口を開いたのは、僕達が電車を降りて学校へ向かう道の上だった。


「………え?」


それまで、さっきの事や学校に遅れちゃった事とかについて考え込んでいた僕は、テンポ遅れで顔を上げた。
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