花は野にあるように
「チカン野郎な。」


それが今朝のおじさんの事だってようやく解った僕は、リョクの顔を見上げた。


「親父の昔なじみの所に放り込まれるらしい。」


言葉の意味がよくわからないんだけど。


「リョクのお父さん?」


……って、何してる人なんだろう?


「あぁ。んー……っと。そうだな。親父は今は違う仕事してっけど、あいつが放り込まれるとこは、マタギみたいな人んトコ。
って、マタギがわかんないか。」


そうだなぁ、と言いながらリョクは頭を掻く。


「昔だと猟師でいいのかな?
まぁ、なんだ。
山から山へ渡り歩いてる山仕事の専門家みたいな人達だよ。」
< 146 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop