花は野にあるように
それにきっと、人生変わるような体験できるだろうしな、と言ったリョクは、何だか僕には見えない、少し遠くのところを見ているようで。


おんなじだけの年数しか生きていないはずなのに。


どうして僕とこんなに違うんだろう。


「リョク……。」


思わずリョクの名前を呼んでしまった僕を見て、フッと笑ってリョクは言う。


「大丈夫だって。ひどい目に合わすのが目的ってわけじゃなくって、人生の方向修正かけさせるだけだから。」


その笑顔と、優しい口調に。


僕は何故だか、却ってリョクを遠く感じた。
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