花は野にあるように
「………ど、どこへ行くの?」


僕がようやくの事で、そう質問できたのは、長い足でザカザカ歩くこの人に引きずられる様にして連れていかれた昇降口を、上靴のまま飛び出しかけたところだった。


「………どこでもいい。
あのうるさい奴らがいねぇ所なら。」


ぼそり、とそう言った口調があまりにも辟易したっていう感じな事に僕は驚いてしまった。


だって、さっきまで話が弾んでるとは言えなかったけど、悪くない雰囲気で彼女達と会話していたじゃない!
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