花は野にあるように
「俺の腕の中ですっげぇ可愛い顔を見せてるお前も、
チカンにまで優しいお前も、
料理が得意なお前も、
教室で息を潜めてるお前も、
全部ミキだろ?
自分が怖いんじゃなくって。
変わってしまうことが怖いんだろ?」


僕の後ろからリョクの落ち着いた声が聞こえて来ているうちに、泣きだしそうなほどに張り詰めていた僕の気持ちは少しずつ落ち着いていた。


「リョク………。」



「けど……な。」


僕の頬にちゅ、と音を立てて小さくキスをしながらリョクは続けた。
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