花は野にあるように
「え?
で、でも………。」


「苦手なんだよ。」


口籠もる僕に、頭を掻きながらそう言って、外へ出ようとするのを、僕は腕にぶらさがる様にして一生懸命に止めた。


「ダ、ダメだって。
外に行くなら、ちゃんと靴を替えなきゃ!」


必死に言ってる僕を見下ろして、舌打ち。


「めんどくせーな。」


そう言いながら。


でも、僕の言葉を聞いてくれるつもりになったのか、靴箱の方へと向かってくれた。


「あ、ありがと。」


とりあえずお礼を言った僕の事を、じろりと見て肩をすくめる。


「変な奴。」
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