花は野にあるように
「え……?」


なんだか、まだ夢の続きにいるようにボンヤリとしている頭をゆっくりと振って僕は自分の服装を見た。


制服のまま眠ってしまった僕の、何処を見てもリョクに愛されていた形跡はなかった。





………全部。
夢だったんだ………。


ボンヤリとしたまま、そんな事を思う。


なぜかほっとする反面、残念に思っている僕も、確かに僕の中には居てるみたいで。


「襲われたかったのかな……?」


そんな自分がおかしくて。


僕の気配しかない部屋で、僕は笑うぐらいしか出来なかった。
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