花は野にあるように
多分、赤くなっている顔をリョクから隠すように、僕は俯いてお弁当箱を片付けた。


「赤くなっちゃって、可愛いんだけど?」


意地悪な指が僕の頬をつついてくる。


リョクが変な事、言うからだよ!


僕は心の中で反論しながら、ふいっと顔を背ける。


そんな僕の態度に、リョクは楽しそうに喉を鳴らして笑うと、唐突に話し始めた。


「ヨーホーギョーシャってのは、花の種類じゃねぇよ。職業名。
養蜂。つまり、蜂を飼って蜜を集めさせ、蜂蜜を作っている人達、って事だな。」
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