花は野にあるように
「ずっと同じ場所で養蜂やってる業者もあるけど、俺がチビの頃から良く出会っていた養蜂業者の人達は、蜂達の巣箱をトラックの荷台に乗せて、南から花が咲くのに合わせてずうっと北上していくんだ。」


リョクの口から語られる興味深い話に、僕は背けていた顔をリョクに戻してじっと話の続きを待った。


「蜂蜜って一言で言っても、花の種類や、その土地の気候によって色も風味も味も違う。
よくあるのはレンゲの蜂蜜だけど、桜やアカシア、苺なんてのもあるんだ。」


へえぇ。


まったく知らなかった話に、僕はあっという間に引き込まれた。
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