花は野にあるように
「あの人達は、いつ何処でどんな花が咲いているかをよーく知ってるよ。
出会った時には良く色んな事を教えてもらったな。
蜂の集め方とか、
刺されずに巧く蜜を集める方法とか、
それから、きっと誰も知らない
………秘密の花園とか。」


リョクは、そこで言葉を切ると僕の頬に触れた。


「ミキを連れていってみたいなぁ。
古い山桜がまるで小さな山のように見えるぐらい沢山の少し濃い桜色の花を付けて咲き誇っているトコとか、
ミヤマツツジが崖の上から連なって咲いていて、鮮やかなピンクの滝のようになっているトコとか、
オレンジ色の山百合が山の向こう側まで続いているように見えるようなトコとか。」
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