花は野にあるように
「ホントに?」


背けたリョクの顔を覗き込みながら僕は聞いた。


「なんか、隠してない?」


じっと視線を合わせて聞くと、リョクはぐっと言葉に詰まった。


「………スカートはきたくなかったんだよ。」


はぁーっと、大きく溜息をつきながら観念したようにリョクは話し始めた。


「生まれてから一度たりともンナもん、着たことねえし。
規格外の制服なら、デザイナーのトコに確認するだろうし、あのデザイナーはイケ面スキだっつってたから、写真付けときゃ……男子用制服に……なる、か、な?なぁんて……。」
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