花は野にあるように
テヘ、とカワイコぶって言うリョクを見て。


僕は心底、呆れた。


自分の写真を付けた……って、絶対に誤解されるのが確実なのを選んだに違いないと思う。


「リョク……自分の顔の使い方をよく解ってるよね?」


呆れたままの僕が言うと、リョクはいやぁ、それ程でも、なぁんて照れたけど。


僕は誉めてないよ?



「まぁ、そんな訳で俺の制服の話は理事長の預かりになったってワケ。
んでもって、理事長に呼び出されてるから、ちょっと行ってくるな。」


リョクはそう言うと、弁当ごっそさん、美味かったっていう言葉と、僕の頭へのスキンシップを残して、長い足で歩き去った。
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