花は野にあるように
「最近、あんまり行ってなかった校舎の西側行ってみようかな?」


つい、口に出して言ってしまって、それに返事が返ってこないことで、僕は妙に淋しくなる。


……変だな。


リョクが来るまで、いつもこんな感じだったし。


それで平気だったのにね。



隣にリョクがいないだけで、なんだかひとりぼっちで知らない世界の真ん中に放り出されたような気持ちになるなんて………。


なんだか、少し沈んだ気分を味わいながら、僕は校舎の外側を回りこんで、西側にある庭園の片隅にある花壇をめざした。
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