花は野にあるように
覗き見するみたいで、ちょっとドキドキしたけど、僕はそうっとその窓の隙間から中を覗き込んだ。
中では、茶室の床の間に向かって座った女の人が、畳の上に敷いた新聞紙の上で花鋏を使っていた。
それを、あぐらを組んだリョクが壁ぎわから見ている。
少し不機嫌そうな表情を浮かべて、その人を見ているリョクの前には茶道の授業で使っているお抹茶を飲むときの茶碗が置かれていた。
「俺の行動に親父は関係ねーだろ。
オフクロは、こんな俺が可愛いっつってんだし。
大体、『制服なら、これがあるじゃない!』って言って、タンスの中からこれをひっぱり出して来て俺に着せたのは、オフクロだし。」
中では、茶室の床の間に向かって座った女の人が、畳の上に敷いた新聞紙の上で花鋏を使っていた。
それを、あぐらを組んだリョクが壁ぎわから見ている。
少し不機嫌そうな表情を浮かべて、その人を見ているリョクの前には茶道の授業で使っているお抹茶を飲むときの茶碗が置かれていた。
「俺の行動に親父は関係ねーだろ。
オフクロは、こんな俺が可愛いっつってんだし。
大体、『制服なら、これがあるじゃない!』って言って、タンスの中からこれをひっぱり出して来て俺に着せたのは、オフクロだし。」