花は野にあるように
機嫌が悪いのを隠そうともしない声で、リョクが言う。
「その口の悪さは、水生ちゃんにはありえません。」
50代ぐらいに見える、その女の人は凛とした声で花に目を落としたまま言った。
「40才目前のいいオバサン捕まえて、ミオちゃんはないだろ。
大体、なんで未だに親父の事は目の仇にすんだよ。
この制服だって、親父のだからヤなんだろ?
俺が生まれて18年も経ってんのに、まだふたりが学生結婚したのを許してないってしつこくないか?」
「その口の悪さは、水生ちゃんにはありえません。」
50代ぐらいに見える、その女の人は凛とした声で花に目を落としたまま言った。
「40才目前のいいオバサン捕まえて、ミオちゃんはないだろ。
大体、なんで未だに親父の事は目の仇にすんだよ。
この制服だって、親父のだからヤなんだろ?
俺が生まれて18年も経ってんのに、まだふたりが学生結婚したのを許してないってしつこくないか?」