花は野にあるように
見ると、さっきまでリョクが居た茶室の、庭への出入口である『にじり口』って呼ばれる入り口が、開け放されたままになっている。
あ、『にじり口』っていうのは、一人がぎりぎり通れるぐらいの大きさしかない茶室の出入口で、
僕はこれを見るたびにいつも猫の出入りの為に家に作ってあるような扉の事を思い出すんだけど。
「……貧血か?」
僕を安心させるためかな?
優しい微笑みを浮かべたままで、リョクはゆっくりとした口調で尋ねてくれた。
「え……?
わからない……急に目の前が見えなくなって……。」
あ、『にじり口』っていうのは、一人がぎりぎり通れるぐらいの大きさしかない茶室の出入口で、
僕はこれを見るたびにいつも猫の出入りの為に家に作ってあるような扉の事を思い出すんだけど。
「……貧血か?」
僕を安心させるためかな?
優しい微笑みを浮かべたままで、リョクはゆっくりとした口調で尋ねてくれた。
「え……?
わからない……急に目の前が見えなくなって……。」