花は野にあるように
どこかへ行ってしまおうとするんなら。


また、僕をひとりぼっちに戻すんなら。




優しくしないでよ。


「やだ………。」


リョクが優しくしてくれるたびに、僕は弱くなってしまうんだから。


お願い。


優しくなんて、しないで。




そんな風に思ってリョクを見上げると、どこまでも優しい瞳が僕を見つめている。


「驚かせて、ゴメン。あーゆー風に言わないと、ばあさんもガンコだからなぁ。
偶然聞いたとはいえ、ビックリしただろ?」
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